こんにちは、モモキンです。
寒い日と暖かい日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
体調管理に気を付けてください。
今回は「論語と算盤」という本を紹介します。
著者は渋沢栄一で「日本資本主義の父」と呼ばれている人物です。
2021年の大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公になっています。
また一万円札の肖像画に採用される予定です。
「論語と算盤」とは
渋沢栄一が主に講演会で話した内容をまとめたものになります。
渋沢栄一が考えていることや皆に伝えたいことが書かれています。
内容としては人の進路や人がどう生きるべきかがまとめられています。
自己啓発に近いと思います。
モモキンが参考となった部分を紹介したいと思います。
第1章 「処世と信条」
論語と算盤は全く別の物ですが実は近い物と述べています。
論語は孔子の教えをまとめたもので人の道理を説いています。
算盤はご存じの通り計算を行う道具ですがここでは実業(経済活動)を表しています。
論語と算盤をあわせ持つことで道徳に基づいた実業をおこない、永続的な活動ができると説明しています。
それこそが国の富であると述べています。
そして「己を知る」が重要と述べています。
「己を知るとは」身の丈を知り自分の生活や行動様式をそれに合わせるということです。
それを「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」という言葉で説明しています。
第2章 「立志と学問」
一度立てた志(どのような分野で活躍していくか?)を途中で変えると多くの無駄が発生します。
よって最初に立てる志は慎重に検討する必要があります。
特に自分の長所や短所を分析して「目指す分野が自分に向いているか?」「今置かれている状況が適しているか?」といった検討が必要です。
渋沢栄一本人も17歳の時には武士を志し、そのあと政治家を目指したが十数年間流浪の身となったことを非常に後悔をしていると述べています。
第3章 「常識と習慣」
「常識」とは「知、情、意、(知恵、情愛、意思)」がそれぞれバランスを保って均等に成長したものだと述べています。
知恵と情愛と意思の意味を調べると以下になります。
情愛:人を深く愛するきもち
意思:目的や計画を選択しそれを実現しようとする精神のうごき
また習慣については以下のように説明しています。
悪い習慣を多く持つと悪人になり、良い習慣を多く持つと善人になるといい、最終的には人格にも影響してくると述べています。
よって普段から良い習慣を身に付けるように心がけることが大切です。
また重要だと思ったのは「意志の鍛錬」という言葉で以下のように説明されています。
意思の鍛錬は良い方にも悪い方にも鍛錬できてしまいます。
なので常識が必要であると述べています。
第4章 「仁義と富貴」
第1章でも述べていますが、本当の経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと決して長く続くものではありません。
一方で「道徳と思いやりの政治を掲げて世の中を治める」ことと「経済活動によって富と地位を得る」ことを一緒にしてはいけないというのは間違いであるとも述べています。
富や地位を追い求めると道徳がないがしろにされてしまうと考えがあるようです。
しかしながら、それは孔子の教えを間違って理解していて、経済を発展させることと道徳を高めることを両立させることが重要なのだと著者は説明しています。
第5章 「理想と迷信」
人が自分の務めを果たすときは「趣味」を持ってほしいと述べています。
「趣味」とは物事を「こうやってみたい」「これをこうすれば、こうなるだろう」というように理想や思いを付け加えて実行することです。
「趣味」を持って仕事を行うことにより成果のレベルが上がると述べています。
第6章 「人格と修養」
人の評価は「人は棺を蓋うて後、論定まる」という言葉を用いて説明しています。
つまり人は生前ではなく死後に評価が定まるということです。
7つの習慣という本でも全く同じことが説明されていました。
その人の富や地位や名誉は二の次で、人が社会のために尽くそうとした精神と効果によって評価されるべきと述べています。
また「修養(自分を磨くこと)」については、現実の中での努力と勤勉によって知恵や道徳を完璧にしていくことだと述べています。
人格を磨くための方法として孔子や孟子の教え用いて以下のように解説しています。
「信」:信頼されること
「孝悌」:親や年長者を敬うこと
「仁」:物事をすこやかにはぐくむ
この教えに基づいて知恵や能力を発展させ、人生の最後には「成功」を勝ち取ろうと述べています。
第7章 「算盤と権利」
孔子の教えは「義務」でありキリストの教えは「権利」であると説明していますがその本質はほぼ同じと解説しています。
「人に○○してあげなさい」というのがキリストの教えであるのに対し、「人は○○でなければならない」というのが孔子の教えです。○○の部分には善行が入ります。
また国家や社会の発展のためには「競争」が必要であることと、その結果として貧富の差が発生することは致し方無いとも述べています。
「競争」にも善悪があり「毎日人よりも朝早く起きて、良い工夫をして、知恵と勉強とで他人に打ち克っていく」競争が善い競争で、「他人を真似して横から成果を奪い取る」競争が悪い競争だと述べています。
第8章 「実業と士道」
この章では商工業者に対する道徳観念の重要性について説明をしています。
武士を例にとり武士道で学ぶ「正義」「廉直」「義侠」といった考え方が商業においても非常に重要だと説明しています。
「財産を作れば、仁の徳から背いてしまう。仁の徳を行えば、財産はできない。」とい孟子の言葉は誤解であると説明しています。
商業道徳と物質的な文明の進歩が並行して行われる必要があると述べています。
第9章 「教育と情誼(じょうぎ)」
親孝行は子供にしてもらうのではなく子供ができるような状況を作ることが重要と述べています。
親の気持ち一つで子供に親孝行させることもできるが親不孝にもできてしまうので用心が必要です。
また学問については人は自分の境遇や生活の状態を顧みず分不相応の学問をしてしまい、後に後悔することがあると述べています。
先ずは「将来はどのような専門性を学ぶべきか?」ということを目的をもって決める必要がります。
そして女性にも男性と同じように才能や知恵、道徳を学んでもらい共に助け合って行かなければならないと述べています。
また社会が必要とする人材は様々なタイプの人が必要だが現在の教育は知識を詰め込むことに注力されていて似たり寄ったりの人材が多いと指摘しています。
第10章 「成敗と運命」
この章では人の運命そして成功と失敗について説明をしています。
自分の仕事のなかに大いなる楽しみと喜びを持つようにすべきだと述べています。
それが事業を進める原動力になるからです。
また「良心」と「思いやり」こそが人の歩むべき道であり社会で生きて行くための基礎であり、幸運をつかむ源であると述べています。
人の運命は自然に降りかかってくるものなので以下のように接するべきと述べています。
敬:うやまう
信:信頼する
そして「人事を尽くして天命を待つ」(自分ができることを全てしたうえで、天から下される運命を待つ)という気持ちで臨んでいくべきだと説明しています。
また人の成功や失敗は「人の身体に残るカス」と表現しており、もっと大切な「天地の道理」があると述べています。
ここでいう「カス」とは成功や失敗のことであり「天地の道理」とは誠実な努力や正しい行為の道筋を表しています。
最後に人は成功や失敗に目を向けてしまいがちですが正しい行為の道筋に沿って行動することこそが価値ある人生を送れると述べています。
まとめ:変わらない価値観
渋沢栄一が活躍していた時代は今から約100年前になりますが価値観や考えは今でも十分役立つものであると感じました。
文明が発達し生活様式や時間の流れが全くといっていい程変わりましたが良い教えや考え方というのはそうそう変わるものではないなと思いました。
また普段意識したり考えたりしないといろいろな情報から富や名誉に流されて誤った行動をしてしまうものだということも感じました。
そしていまさらながらですが進路や大きな決断をするときは時流を読み取り、おこなう前によく考えることが大切です。
「七つの習慣」でいう緊急度が低いが重要な問題(第二領域)に当てはまります。
生活していく中でこのようなことを考えることは少ないと思いますがこの本を読んで考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
ちょうど大河ドラマも始まるので話題作りなるかもしれません。
以上ありがとうございました。
気に入って頂けたらシェアやフォローしてもらえると嬉しいです。
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