事実に基づいて世界を見る:「FACT FULNESS」(ハンス・ロスリング)について

読書
この記事のおすすめポイント

①世界に対して間違った認識をする原因について理解することができる
事実に基づいて世界をみることの重要性について理解することができる
③所得レベルが人々の生活にどのような影響をおよぼすかを知ることができる

モモキンです。

「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」という本を紹介します。

ハンス・ロスリングさんという方が著者になります。

世界で300万部の大ベストセラーになっています。

Youtube大学でも本書について解説されていてリベ大のおすすめ書籍にもなっています。

刊行は2019年1月15日でページ数は400ページで濃厚な本となっています。

この本を読んでモモキンが考える結論は以下3点になります。

モモキンのこの本の結論

①人々は思い込みにより事実とは異なる認識をしていることが多い
②事実を知ることは生きていく上で役にたつ
③事実に基づいて世界をみると世の中それほど悪くない

この本を読むことで人口や生活水準に関しての過去、現在、未来をイメージすることができました。

世界経済の動向を考える上でも勉強になりました。

この記事を参考に実際に本を読んでもらえるとありがたいです。

本の概要

人は思い込みにより間違った認識をしてしまう

本の冒頭で著者は13個のクイズを出します。

クイズの内容は世界の統計に関する内容で回答は3択式になっています。

いろいろな人に同じ内容でクイズを出します。

ランダムに回答すれば33%の正解が得られるはずですが実際はそれ以下になると述べています。

ランダムに回答することをチンパンジーに回答させると説明しています。

しかしヒトはそれ以下の正解率になってしまうためヒトはチンパンジー以下であるとジョークを飛ばしています。

なぜ正解率が低いのかというとそれは「先入観」や「元々脳に組込まれている本能」で判断してしまうからです。

不安を煽ったりネガティブな状況といった「ドラマティックすぎる世界の見方」を止めて「事実に基づく世界の見方」を身につけるべきだと述べています。

ファクトフルネスを実践する

「事実に基づく世界の見方」を身につけるために「ファクトフルネス」と呼ばれる習慣を毎日の生活のなかに取り入れて欲しいと述べています。

間違った思い込みをつくる原因として10個の本能が紹介されています。

その思い込みに対処するための方法として10個の習慣も紹介されています。

この習慣を実践することで「ファクトフルネス」を実現することができます。

<思い込みの原因となる本能とファクトフルネスを実現するための10個の習慣>

①「分断本能」を抑えるには・・・大半の人がどこにいるのかを探そう
②「ネガティブ本能」を抑えるには・・・悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておこう
③「直線本能」を抑えるには・・・直線もいつかは曲がることを知ろう
④「恐怖本能」を抑えるには・・・リスクを計算しよう
⑤「過大視本能」を抑えるには・・・数字を比較しよう
⑥「パターン化本能」を抑えるには・・・分類を疑おう
⑦「宿命本能」を抑えるには・・・ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
➇「単純化本能」を抑えるには・・・一つの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
⑨「犯人捜し本能」を抑えるには・・・誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
⑩「焦り本能」を抑えるには・・・小さな一歩を重ねよう

本書では世界の統計情報を題材にヒトの本能に基づく間違った認識を「事実に基づく世界の見方」で具体的に事例をあげて解説しています。

モモキン
モモキン

テレビや新聞の記事をみても不安を煽って注目を得ようとする内容が多いです。

一部のデータだけをあげて結論を誘導するような報道もありますね。

勉強になったポイント

本を読んで勉強になったポイントは以下になります。

4つの所得レベル

世界の国々は「先進国」と「途上国」に分けられそこで暮らす人々の平均収入から生活水準が2極化されていると認識されることが多いと述べられています。

わたし自身も2極化までは行かないにしてもある程度は分断されているのではないかと考えていました。

ですが実際はそうではなくて連続的につながっていて世界の人口の75%の人が中所得国と呼ばれているエリアにいると説明されています。

著者は所得を4つのレベルに分けてそれぞれのレベルでの生活水準を具体的に解説しています。

下記のサイトに月収とライフスタイルが写真と動画で掲載されています。

生活水準はその国の文化や地理的要因により決まると思われがちですが実際にはそうでなくその家庭の収入で決まってくることが分かります。

Dollar Street - photos as data to kill country stereotypes
Imagine the world as a street where everyone lives. The poorest live to the left and the richest, to the right. Everybod...

所得水準と健康の関係

各国の所得水準と平均寿命の間には正の相関があります。

つまり「所得水準の高い国は健康水準も高い」ということです。

健康だから所得が多いのか所得が多いからよい医療を受けられるのかは不明ですが所得水準が高いと長寿の人が多くなるのは事実です。

下記のサイトに各国の所得水準と寿命の関係を年代ごとに推移させた動画を見ることができます。

この動画を見ると年を追うごとに世界は豊かになりそれに伴い平均寿命が上昇していくことが理解できます。

Gapminder Tools
Animated global statistics that everyone can understand

地域ごと、所得ごとの人口分布

収入の高い人々はアジアの一部の国を除いてアメリカやヨーロッパに集中していると思われているかと思います。

すでに知っているかもしれませんがものすごい勢いでアジアの人々が豊かになっています。

現在は最高の所得レベルの6割が西洋諸国の人々となっていますが次第にアジアやアフリカにシフトしていきます。

下記のサイトに各国の所得と人口の分布の関係を年代ごとに推移させた動画を見ることができます。

この動画からアジアの人々の所得が西洋諸国の人々に追いついていくことが分かると思います。

Gapminder Tools
Animated global statistics that everyone can understand

まとめ:事実を知ることの大切さ

世界の様々な統計情報から世界の人々の所得は向上し生活水準はあがっているということが理解できると思います。

つまり世界の人々の暮らしはどんどん豊かになっているということです。

しかしながら一定の割合の人々が貧困で苦しんでいるというのも事実です。

日本は当然バラツキはありますが世界的にみると収入も平均寿命もトップレベルで非常に豊かな国であることも分かります。

一方でわたしたちは生活しているといろいろなメディアから様々な情報が伝わってくると思います。

それらには意見や意図、目的がある訳で客観的な事実を伝えているかはわかりません。

時には都合の良いデータだけ見せて視聴者をある方向へ誘導しようする場合もあるかと思います。

本文の最後に

「事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。これからも世界を良くし続けるためにわたしたちに何ができるかも、そこから見えてくるはずだ」

という言葉で締めくくっています。

偏った情報にとらわれることなくしっかりと事実を把握したうえで生活や行動に取り入れていきたいと考えるようになりました。

この記事を書いて感じたこと

①ある情報を得た時に思い込みをして行動していないか気を付ける
②ものごとを考える時に事実はどうなのか?世界的にどうなのか?ということを意識する


以上ありがとうございました。

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コメント

  1. くりん より:

    本を読んでみたくなりました。

    • モモキン モモキン より:

      コメントありがとうございます。
      ぜひ読んでみて下さい。
      賛否両論あるようですが人口動態や人類はどのように経済発展していったかが理解できるので
      投資などにも役立つ考え方だと思います。
      学校やマスコミでは教えてくれない情報ですが今後生きていく上で重要な情報だと思います。
      テーマは異なりますがライフ・シフトもとても重要な情報だと思いました。