老化は病気という考え方:「LIFE SPAN 老いなき世界」(デビッド A シンクレア、マシュー D ラプラント)について

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この記事のおすすめポイント

老化の本質について理解することができる
老化を防ぐ方法を知ることができる
長寿の秘けつを知ることができる

こんにちはモモキンです。

今回は「LIFE SPAN 老いなき世界」という本を紹介します。

著者はデビッド ・A・ シンクレアさんとマシュー・D ・ラプラントさんです。

デビッド ・A・ シンクレアさんはハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授をされている科学者です。

マシュー・D ・ラプラントさんはユタ州立大学でライティングを専門とする准教授です。

特にデビッド ・A・ シンクレアさんは170本以上の論文を発表し50件以上の特許を取得しています。

『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」の1人に選出されています。

その中で「医療におけるトップ50人」の1人にも選出されているという凄腕の科学者です。

この本を読んでモモキンが考える結論は以下3点になります。

モモキンのこの本の結論

①老化とは遺伝子の異常である
②老化は病気なので治療することができる
③老いなき世界で人間は豊かに暮らすことができる

この本では、老化についての研究成果が詳しく紹介されています。

一般的には「歳だから仕方ない」とか「歳には逆らえない」といった考え方があると思います。

この本では老化とは遺伝子の異常であるという本質的な観点から老化を防ぐ方法が提案されています。

さらに老化は病気であるという考え方が示され治療すれば老化を遅らせることができると主張しています。

2020年に出版され総ページ数はページ数は491ページもあります。

この本を読むことで、老化の本質や防ぐ方法、そして長寿の秘訣について学ぶことができます。

もし老化についての理解を深めより健康で豊かな人生を送りたいと思う方はぜひ本書を手に取ってみてください。

本の概要

第1部 私たちは何を知っているのか(過去)

第1章 老化の唯一の原因-原初のサバイバル回路

この章では初期の生命の仕組みから説明が始まり老化の原因について解説されています。

内容は難しいのですが簡単にまとめると以下の通りです。

老化はDNAが持つ「エピゲノム」呼ばれるアナログ遺伝情報が消失することで起こります。

エピゲノムは様々なことで劣化するのですが劣化したエピゲノムは修復することができます。

その役割を担うのがサーチュイン遺伝子でありその調節機能によりエピゲノムが修復されます。

この機能があるからこそ人は様々な病気から身体を守ってくれると述べられています。

第2章 弾き方を忘れたピアニスト

この章では老化のメカニズムをグランドピアノとピアニストの関係を例に説明しています。

グランドピアノとはゲノムのことを指し、ピアニストはエピゲノムのことを指します。

ピアニストが混乱を起こして奏でる曲がおかしくなることを例に老化を説明しています。

実際の老化のプロセスは以下の通りです。

若さ→DNAの損傷→ゲノムの不安定化→エピゲノムの混乱→細胞のアイデンティティの喪失→細胞の老化→細胞の老化→病気→死

第3章 万人を蝕む見えざる病気

この章では老化を病気と捉えることの重要性について説明しています。

人は老化することで様々な病気にかかるリスクが上がります。

そして高齢になるほど怪我や病気からの回復も遅くなります。

老化を対処して長期に渡り健康と幸福感を高めることができるかもしれないと述べれられています。

第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)

第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法

この章ではみなさんが気になる長寿に関する習慣について解説しています。

まず、間違いない方法として「食べる量や回数を減らす」を上げています。

実験の結果としても体の機能は維持できるがそれ以上与えないことで生命維持機能を高めます。

そして、病気や体の劣化を防ぎエピゲノムの変化を最小限に保つことができると述べています。

食事に関するもう一つの方法としては間欠的断食を行うことが述べれられています。

一定の期間食事をとらないことによりサバイバル回路を始動させます。

空腹の取り方としては16時間の空腹期間を設ける方法や週に2~3日断食する方法もあります。

またタンパク質は動物性ではなく植物性のものを摂取することを推奨しています。

運動することや寒さに身を晒すことでサバイバル回路を活性化させることについて述べられています。

そしてタバコや有害な化学物質、放射線も老化を速めると説明されています。

第5章 老化を治療する薬

この章もみなさんが気になるかもしれませんが老化を治療する薬について解説しています。

ラバマイシン、メトホルミン、レスベラトロール、NMNといったものが紹介されています。

特にメトホルミンとNMNに関しては著者のお父様が服用していて状況が解説されています。

これらの成分がどのようにサーチュイン遺伝子を活性化させるかについて述べられています。

第6章 若く健康な未来への躍進

この章では若返りするための様々な研究事例が紹介されています。

具体的には、老化細胞の説明とそれを除去する方法や山中伸也教授のiPS細胞の合成方法について解説されています。

第7章 医療におけるイノベーション

この章では最新の医療技術である遺伝子治療について紹介されています。

遺伝子は人によって異なるため病気に対する治療法や効く薬が異なることに解説されています。

また生体情報を取得するツールや生体情報活用した予防医療の方法についても述べられています。

さらに感染症に対するDNA解析及びワクチンの重要性についても説明されています。

第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)

第8章 未来の世界はこうなる

この章では人間の寿命が今後も伸び続けることが様々な事例を挙げて説明されています。

そして寿命が延びることによって人口増加や高齢化が社会に及ぼす影響について解説されています。

人口増加や高齢化に対する否定的な意見もありますが著者はメリットの方が多いと結論付けています。

そして長い人生の中で「時間に余裕をもって今を生きる」ことが最も重要だと述べられています。

第9章 私たちが築くべき未来

この章では、ますます高齢化する社会に向けて取り組むべきことや国の予算配分についての意見が述べられています。

老化研究への予算が少ないがことが社会負担につながるため改善が必要だと述べられています。

そして健康寿命の重要性や技術革新と創意工夫によって社会の課題を解決できることが結論付けられています。

勉強になったポイント

  • 病気に備えるのではなく老化に備える

年齢を重ねると健康診断の結果で様々な問題が見つかることがあります。

食事や運動によってエピゲノムの変化を抑え老化を遅らせることができます。

特に食事においては減量よりも空腹期間を設けることが効果的であるといわれています。

運動についてもジョギングだけではなく心拍数を上げるような負荷のかかる運動を行うことが大切だと学びました。

  • 高齢化社会が悪いというイメージを払拭する

日本は少子高齢化が進んでおりで税金や保険料が増加し年金受給額が減らされることが予想されます。

しかし老化対策を行うことで頭脳や体を若く保ち定年を過ぎても主体的に働くことができるようになると分かりました。

そのためには老化に対する意識を持ち健康的な生活習慣を続けることが必要です。

このようなマインドを持つ人が増えることで社会が変わっていく可能性があると考えます。

まとめ:健康を維持するために老化対策をおこなう

健康を維持することは生きていく上で何よりも大切だと思います。

今では健康を長く維持するためには老化対策が必要だと考えるようになりました。

老化対策を行うためには老化のメカニズムを理解することが重要です。

暴飲暴食や運動不足がなぜ良くないのかを遺伝子レベルでまだまだですが理解できました。

モモキンは以下のようなことに取り組んでいます。

  • 基本的に一日2食にする
  • 16時間以上の空腹期間を設けるようにする
  • NMNの入ったサプリメントを飲む
  • ジョギングとインターバルを週に何回か行う
  • お酒は控える
  • 長生きをしようと心掛ける

今のところ、これらの取り組みは続けられているので、継続していきたいと考えています。

この記事を書いて感じたこと

① 健康を維持するために老化しないような生活習慣に取り組もう
② 健康な状態で長生きをして長寿のメリットを享受しよう


以上ありがとうございました。

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